ウェルドライン
「ウェルドライン」とは、樹脂形成において金型の中で溶解樹脂の流れが合流し、融着した部分に発生する細いラインのことをいいます。例えば成形品に中空部を形成するためにコアやピンを設けた場合、その部分で樹脂の分流が発生し、回り込んで合流した箇所にウェルドラインが発生します。細い線として視認できる場合もあれば、外からは見えない場合もありますが、後者の場合でもウェルドラインと呼びます。
注入する樹脂の種類や金型の設計方法よっては、ウェルドラインが発生しても問題ないケースもあります。しかし、外観が悪くなるリスクや、最悪の場合には構造上の欠陥を引き起こしてしまう場合もありますので、ウェルドラインは無視できない要素となります。
ウェルドラインが形成されやすいかどうかは、使用する樹脂の種類によって大きく異なります。例えば「ABS」はウェルドラインが発生しやすい樹脂です。また、外観の問題のみ解消できれば良いのであれば、金型の温度を上げて樹脂の固化を遅らせる方法や、射出速度を早くして表面の固化層を薄くする方法などがあります。