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「エンプラ」とはなにか?通常プラスチックとの違いを解説

大量生産を行う部品は、一般的に「機械」を用いて生産されています。インサートナットも特殊なものを除き、機械で生産されていますが、生産する機械にはそれぞれ異なる特徴があるのです。そこで、インサートナットを生産している機械の特徴について解説します。

エンプラとは?

「エンプラ」とは「エンジニアリングプラスチック」のことであり、高い耐久性や耐熱性を備えた高性能な合成樹脂のことです。
中でも特に高性能なものは「スーパーエンプラ」と呼ばれており、高い機能を必要とする工業部品などに用いられています。

通常のプラスチックとエンプラの違い

通常のプラスチック(汎用プラスチック)とエンプラの違いは、その機能性の高さです。
エンプラにも種類があってそれぞれに性能が異なりますが、一般的にエンプラは汎用プラスチックよりも高い機械的強度や耐熱性を持っています。
厳密な定義はないのですが、一般的にエンプラは耐熱温度100度以上、スーパーエンプラは150度以上とされています。

なぜエンプラは作られ始めたのか?

エンプラの製造が必要になった背景は、1960年ごろまでさかのぼります。

当時、世界的に工業生産が盛んになり、日本国内においても高度経済成長を支えたのは工業生産の成長が大きな要因となっています。

大量生産に対応するためには、従来の素材として使用されていた「金属」よりも軽く、加工が簡単であり、かつ安い素材を使用するニーズが高まったのです。

特に自動車部品においては、石油資源の枯渇問題に対応するための燃費対策のための軽量化を中心とした問題から、金属よりも軽量で丈夫な素材で作られた部品が必要になりました。

金属部品への代替手段としてエンプラが開発され、普及するようになったことで、さらにプラスチック部品のニーズは高まります。

その結果、生産者は従来のエンプラよりもさらに高性能なプラスチックを求めるようになり、スーパーエンプラが開発されたのです。

現在、エンプラやスーパーエンプラは機械的強度や使用温度の点において、汎用プラスチックと金属の中間に位置する素材として重宝されています。

エンプラの問題点

エンプラやスーパーエンプラの欠点は、汎用プラスチックと比較して高コストになることです。

エンプラよりもスーパーエンプラ、中でも高性能な素材ほど高コストになる傾向にあり、何にでも無条件に高性能なエンプラを使えば良いというわけではないのです。

素材の高コスト化は製品の価格を引き上げる要因になるため、使用する部品に求める性能を満たす中で可能な限り低コストな素材を選ぶことが重要なポイントになります。