COLUMN コラム

主なプラスチックの種類とその特徴2

熱可塑性樹脂

1. ポリスチレン
「5大汎用樹脂」の一つに数えられており、生活用品など身近な品物に用いられている安価なプラスチックです。透明な「汎用ポリスチレン」とゴムが加えられている「耐衝撃性ポリスチレン」の2種類があります。前者は透明性と軽量である点に優れており、後者は耐衝撃性がある一方でゴムの特性により耐熱性が悪くなっています。

2. アクリル樹脂
「ポリメチルメタクリレート樹脂」とも呼ばれ、「4大透明樹脂」の一つに数えられているプラスチックです。光透過性94%は一般的なガラスよりも透過率が高く、「有機ガラス」
とも呼ばれるほどです。剛性が大きいという特徴がありますが、一方で衝撃に弱いという弱点があります。

3.変性ポリフェニレンエーテル樹脂
1967年頃に従来のポリフェニレンエーテル樹脂に代わる素材として改良開発されたプラスチックです。エンジニアプラスチックの中では最も軽い素材であり、機械的性質のバランスが良いです。耐熱性や電気的特性に優れており、無毒であるため食品機材や医療機器としても使用実績があります。

4.ポリブチレンテレフタレート
ポリエステル系のエンジニアプラスチックの一種です。エンジニアプラスチックの中でも特に耐熱耐久性に優れており、長時間熱安定性に優れています。吸水率が少ないため寸法安定性に優れ、熱可塑性樹脂の中では電気的特性にも優れています。しかし強アルカリやフェノール類には弱く、エステル基があるので高温高湿度環境下では加水分解するという弱点があります。

5.超高分子量ポリエチレン
ポリエチレン分子製造時間を長くすることにより、分子量を高めたポリエチレンです。プラスチックの中で最高水準の耐衝撃性を持ち、耐摩耗性にも優れています。水に浮くほど軽く、吸水性の低さによる寸法安定性にも優れた素材です。耐薬品性の高さによって食品衛生安全樹脂としても使われますが、一方で接着することが難しいという弱点があります。

熱硬化性樹脂

1.メラミン樹脂
1938年に工業化されたプラスチックです。表面硬度が高く、傷つきにくいという特徴があります。熱硬化性樹脂の中でも特に安価であるという点も魅力ですが、強酸や強アルカリに弱く、耐衝撃性が弱いという弱点があります。吸湿や乾燥による寸法変化が大きいという点もデメリットとなります。

2.シリコン樹脂
「シリコーン」とも呼ばれるプラスチックです。連続使用温度200℃、充填剤入りならば316℃以上に耐えられる耐熱性の高さが自慢の素材です。電気的特性や表面・界面特性に優れていますが、強酸や強アルカリ、熱水性に弱く、炭化水素系の溶剤にも弱いです。

まとめ

プラスチックは豊富な種類があるので、用途に適したプラスチックを選択することが重要です。どういった用途に用いるか決まったら、どういった特性が適しているのかを考えて、最適な素材を選択しましょう。

主なプラスチックの種類とその特徴

熱可塑性樹脂

1. ポリテトラフルオロエチレン樹脂
「テフロン」の商品名で有名な、フッ素系樹脂の代表格のプラスチックです。高い耐熱性と耐薬品性を有しており、低摩擦特性と誘電率の低さや非粘着性などさまざまな特性を持つ素材でもあります。ただし熱流動性が悪く、成形性が悪いという欠点があります。

2. 液晶ポリマー樹脂
別名「液晶ポリエステル」とも呼ばれるプラスチックです。耐熱性に優れており、高い剛性と弾性、寸法安定性を持つ素材です。ただし摩耗性と衝撃に弱い素材でもあり、加工に際しては接着と曲げ加工に適していません。

3.ポリフェニレンサルファイド
略号そのままに「PPS」と呼ばれることの多いプラスチックです。高い耐熱性と高温特性を持ち機械的強度や難燃性にも優れています。電気絶縁性にも優れた素材なのですが、このプラスチックも衝撃と摩耗性が弱いという欠点があります。

4.ポリエチレンテレフタレート樹脂
通称「PET」と呼ばれる素材であり、身近なところではペットボトルの素材として大変有名なプラスチックです。耐熱性と耐寒性に優れ(ペットボトルとしての耐熱性はそこまで高くない)、透明性の高い素材です。エンジニアリングプラスチックとして用いる場合には単体では脆いため、ガラス繊維などで補強する必要があります。

5.ポリアセタール樹脂
「ポリカボネート」や「ポリアミド」などと並んで「5大エンプラ」と呼ばれる素材の一種です。高い耐摩耗性を有し、軸受などに使用されています。機械的強度と温度性に優れ、金属の代替品として使用されることが多いです。溶接は可能ですが、適当な接着剤がありません。

熱硬化性樹脂

1.ユリア樹脂
尿素を用いているため「尿素樹脂」とも呼ばれているプラスチックです。「フェノール樹脂」と並んで歴史の古い素材であり、熱硬化性樹脂の中では最も安価な素材です。着色が自由であり、成形材料として鮮明な色に着色できるという利便性があります。表面硬度の高い素材ですが、耐衝撃性には難があります。

2.ジアリルフタレート樹脂
優れた電気特性と寸法安定性を持った素材であり、電気・機械部品として幅広く使用されています。また、耐水性や耐汚染性、耐候性の高さから化粧板としても使用されている素材です。

3.ポリウレタン
「ウレタン樹脂」「ウレタンゴム」などの別名があるプラスチックです。ポリウレタンには種類があり、熱硬化性にも熱可塑性にも分類できると言う特徴があります。硬度の種類が豊富で、弾性や耐摩耗性、耐衝撃性などさまざまな特性に優れています。

まとめ

プラスチックには種類が豊富に存在し、それぞれに異なる特性があります。素材・部品として利用する上では各プラスチックの特性を理解して、用途に適した素材を選択することが必要になります。

ポリカーボネイトとは?

ポリカーボネイトとは何か?

ポリカーボネイトはプラスチック樹脂の一種であり、熱可塑性プラスチックの一種です。「PC」「ポリカ」などと略されることもあり、その最大の特徴は高い耐衝撃性を持つことです。アクリル樹脂やポリエチレンと比較して約50倍の耐衝撃性を持っています。インサートナット以外にも医療機器や航空機、防弾ガラスにも使用実績があるなど幅広い用途に使用されています。

ポリカーボネイトの特徴

ポリカーボネイトは、耐衝撃性の高さの他にも「耐熱性」「透明性」などの利点があります。

1. 耐衝撃性
ポリカーボネイトは、アクリル樹脂の約50倍に相当する耐衝撃性を持ちます。ハンマーで叩いても割れることがなく、その耐衝撃性はプラスチック素材の中でも高い水準を持ちます。

2. 耐熱性
ポリカーボネイトは高い耐熱性を持ちます。電子レンジや冷蔵庫といった温度変化の激しい機器にも使用実績があり、幅広い温度帯に耐える性能を持っています。

3.透明性
ポリカーボネイトの透明度は、光の透過率が85~90%あるとされています。その透明度はガラスに匹敵するほどであり、アクリル樹脂には一歩及ばないものの光学機器などにも使用実績があるほどです。

4.耐候性
ポリカーボネイトは高い耐候性を持ちます。難燃性に優れており、電子分野や建築素材などにも使用されるほどです。

5.寸法安定性
ポリカーボネイトは、プラスチック加工において無視できない成形収縮率が低いという特性があります。高い加工性能を持ち、精密な加工を含めてさまざまな成形方法に対応するプラスチック素材です。

ポリカーボネイトの欠点

ポリカーボネイトには、「耐薬品性の低さ」と「高温高湿に弱い」などのデメリットがあります。

1.耐薬品性
ポリカーボネイトは、耐薬品性が低いことが欠点です。中でもアルカリ剤や溶剤には弱く、これらを使用すると劣化してしまいます。また、接着剤などを使用することができません。

2.高温高湿の環境下への弱さ
ポリカーボネイトは高い耐熱性を持ちますが、エステル結合を持つので高温高湿の環境下では加水分解を起こしてしまいます。使用する環境には十分に注意しなければなりません。

3.透明度の低下
ポリカーボネイトは高い透明度を持ちますが、引張強度を超える力をかけてしまうと透明度が低下して白化してしまいます。

まとめ

ポリカーボネイトは高い耐衝撃性などの特長を持つ一方で、耐薬品性が低いと言った欠点があります。使用する際には、その対象の特性や使用環境を十分に考慮する必要があります。詳しくはインサートナットを製造しているメーカーに問い合わせをして、適切な用途に用いてください。

プラスチックの種類とそれぞれの専門用語について

熱可逆性プラスチック

熱を加えると柔らかくなり冷やすと硬まる性質で、一度硬まっても熱を加えると再度柔らかくなります。加熱と冷却をすることで、流動状態にも固体状態にもなれます。

生産性が高く、型と材料、機械があるだけで、大量生産が可能なので、安価でありほとんどのプラスチックは熱可塑性プラスチックです。また加熱することで再度新たに成形できるので、不良品などをリサイクルしやすいです。

さらに結晶構造の違いから、「結晶性プラスチック」「非結晶性プラスチック」に分類されます。これは、結晶構造が規則正しい配置か無定形に配置されているかどちらかです。この2つの違いは様々あり、まず強度は結晶性のほうが高いです。

そして透明度は非結晶性のほうが高く、耐薬品性は結晶性のほうが高いです。耐薬品性とは、化学薬品を使用した際に外観や物性の変化、膨張などに耐えることができる性質のことです。考え方は、プラスチックの強度と似てますね。

1.結晶性
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラ、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、フッ素樹脂などがあります。特にポリカーボネイトは、プラスチックの中でも最高度の耐衝撃性や耐熱性を持つため、長期間の使用も可能です。また透明度が高く、加工性も高いので、工業製品から軍事製品と様々な場所で幅広く使われています。
燃え広がりにくい性質があるので、安全で有毒ガスも発生しません。日用品では、スマートフォンやカメラ、眼鏡などでも使用されています。

2.非結晶性
塩化ビニール、酢酸ビニール、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポルビニルプチラール、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド(ナイロン樹脂)、ポリスチレン、メタクリル樹脂などがあります。

熱硬化性プラスチック

熱を加えると硬くなり、再び熱を加えても柔らかくならない性質があります。
分子結合の特性としては、安定性があり強くて熱に対しての耐性があります。耐熱性・耐水性・耐薬品性に優れており、家電や食器、機能部品や構造部品などに使用されています。

例えばブレーカーやコンセントです。電気や熱が伝わっても溶けたり変形しない特性があるため、熱硬化性プラスチックを使用する必要がありますよね。しかし、生産性が良くないためコストが高くなり、バリ(加工する際に出る突起)が出やすいので再度加工する必要があります。また材料を再利用できないという性質があります。

フィノール樹脂ベークライト、メラミン(デコラ)、不飽和ポリエステル(UPR)、エポキシ、ユリア樹脂などがあります。

まとめ

プラスチックの種類は性質によって大きく分けることができますが、耐熱性や強度などは様々異なるので、その製品に適したプラスチックが個々にあります。適しているプラスチックはなにか見極めて使い分けていく必要がありますね。

インサートナットの挿入方法に適した種類

インサートナットの使い方

インサートナットとは合成樹脂などのプラスチックの成形に使用されます。金属には強度がありますが、プラスチック・樹脂には金属ほどの強度はありません。
プラスチックを繋ぐ時、結合部分には強度が求められます。結合部分が外れないようにするため、インサートナットが使用されます。
インサートナットの挿入方法は様々であり、その挿入方法に合わせてインサートナットの種類や大きさ、形状を使い分けます。
【ツバ付きキャッチサートの写真】

インサートナットの挿入方法と種類

挿入方法によって、インサートナットの種類や大きさ、形状を使い分けます。現在は強度に優れた様々な形のインサートナットが増えており、種類も多種多様になっています。
種類の特徴も簡単に説明していきます。


成形後熱圧入方式

セットしたインサートナットに熱を加えて所定の位置まで圧入する方法です。熱を加えて柔らかくなるのでインサートナットを所定の位置まで楽に挿入することができます。

1.キャッチサート
インサートナットに方向性がなく生産性が高いです。またサイズが豊富にあるうえに熱圧入、冷間圧入どちらでも対応できるため利便性があります。

2.ツバ付きキャッチサート
ツバとはフランジのことであり、取り付け部分が大きく取れるので脱着が頻繁な箇所にはツバ付きが有利です。またサイズが豊富で熱圧入、冷間圧入どちらでも対応できます。

3.SGロック
ローレットが正逆反対方向なので強度に優れています。最も一般的な成形後インサートで手動でも挿入しやすい特徴があります。

4.ツバ付きSGロック
先ほど同様に脱着が頻繁な箇所には脱着しやすく有利です。一般的な成形後インサートナットで強度が高く手動でも挿入できます。

5.マイクロサート
方向性がなく生産性が高いうえに強度にも優れています。自動送入機、パーツフィーダーでの使用に最適なインサートナットです。

6.ウェブロック
樹脂にストレスがかかりにくい形状で主にポリカーボネイトに使用されます。生産性が高く、手動でも挿入でき、自動送入機、パーツフィーダーでの使用に適しています。


成形後冷間圧入方式

セットしたインサートナットを常温で所定の位置まで圧入する方法です。最も一般的で、軽プレスやハンマーなどで挿入できます。


1.キャッチサート
2.ツバ付きキャッチサート
1.2.ともに成形後熱圧入方式の1)2)で説明しています。熱圧入、冷間圧入どちらでも使用可能です。

3.ナイフロック
熱硬化性樹脂に適したインサートナットです。軽プレスの圧力で挿入できます。

4.ツバ付きナイフロック
ツバとはフランジのことであり、取り付け部分が大きく取れるので脱着が頻繁な箇所には有利です。
熱硬化性樹脂に適しており軽プレスの圧力で挿入できます。

タップインサート
ハンマーなどで簡単に取り付けることができるので誰でも取り付けができ対応しやすいです。ボルトをねじ込むと強度がアップします。


成形時インサート
金型ピンにインサートナットをセットして、プラスチックを流し込む方法です。プラスチックが固まって強度が強くなります。


1.クオリティロック
中央の溝部が四角形になっているので強度が2倍以上も強くなっています。方向性がなく生産性が高く、切り粉の発生はないので製品の品質向上に最適なインサートナットです。

まとめ

インサートナットの種類や挿入方法は様々あります。今はインターネットやホームセンターでもインサートナットが販売されているので、日曜大工で使用する際は用途や目的に応じて使い分けてみてください。

熱可塑性樹脂とは、熱硬化性樹脂とは?

インサートナットとは何か?

合成樹脂などのプラスチックを成形する際に使用するナットのことで、プラスチック素材に埋め込んで使用します。
樹脂やプラスチックは金属よりも強度が低いため樹脂同士を繋ぎ合わせるとジョイント部分が簡単に外れてしまいます。
外れないようにインサートナットを埋め込むのです。
プラスチック素材に埋め込む方法は、プラスチック成形時に埋め込む「成形時インサート」と成形後に埋め込む「成形後インサート」の2種類があります。ナットのサイズや種類も様々で用途によって使い分けることができるので、最適なインサートを最適な埋め込み法で使用することができます。

合成樹脂の種類

高分子化合物からなる物質の中で、成型品や薄膜にして使用することを目的として製造されたものであり、大きく分けて「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の2種類あります。

熱可塑性樹脂

熱を加えると柔らかくなり冷やすと硬まる性質で、一度硬まっても熱を加えると再度柔らかくなることができます。
靭性に優れ、短時間で成形できるうえにコストが安価ので生産性が高いです。
また加熱することにより再度成形できるので、不良品などをリサイクルしやすいです。
よって合成樹脂は熱可塑性樹脂が大半です。


熱硬化性樹脂

熱を加えると硬くなり、再び熱を加えても柔らかくならない性質があります。
分子結合の特性としては、安定性があり強くて熱に対しての耐性があります。
例えばシリコン製のゴム皿です。

高い熱にも溶けず耐えるため、オーブンやレンジ対応可能なのです。
料理やレンジ内にくっつくこともなく、熱硬化性樹脂は耐熱性に優れています。
しかし、熱可塑性樹脂に比べて衝撃には弱く落とすと割れて砕けてしまう可能性が高いです。
また材料を再利用できない性質があります。

プラスチック素材の種類

熱可塑性樹脂

1)結晶性
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラ(PTFE)、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などがあります。
2)非結晶性
塩化ビニール(PVC)、ポリスチレン、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド(ナイロン樹脂)などがあります。
種類によって特徴はいろいろあり耐熱温度も様々です。
結晶性は耐熱性に優れており、非結晶性は透明性に優れています。

まとめ

熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は異なる特徴があります。
成形品の特徴や強度に応じて、プラスチック素材や形状などを選ぶ必要があります。
まずはインサートナットを製造している会社に問い合わせてみるのも良いですね。

インサートナットとは?

インサートナットとは何か?

インサートナットとは、プラスチックに埋め込んで素材同士のジョイントを強化するために使用されるパーツです。
通常、合成樹脂などのプラスチックにネジを使用する場合、素材の強度が金属の強度よりも低いため簡単にジョイントが外れてしまいます。そこでプラスチックに、主に金属製のインサートナットを挿入することでジョイント部の強度を確保するのです。
インサートナットの種類は豊富であり、大小さまざまなインサートナットを使用用途に合わせて選ぶことができます。インサートナットを埋め込む方法はいくつかあり、方法によって必要な工具も異なります。

インサートナットはどのようにして使用するのか?

インサートナットの使用法は、主に「成形時インサート」と「成形後インサート」に分かれます。
成形時インサートは、プラスチックの成形時にあらかじめインサートナットを埋め込んでおく方法です。
インサートナットの周囲にしっかりとプラスチックが流れ込んで成形されるため、インサートナットがしっかりと結合されます。ただし成形時にインサートナットを埋め込んでおかなければならないので、既に成形されているプラスチックには使用できません。
成形後インサートは、既に成形されているプラスチックに後付でインサートナットを埋め込む方法です。方法はさらに分けられて、「圧入方式」「熱圧入方式」「拡張方式」に分類できます。
使用する素材や完成品の用途によって適切な方法が異なりますので、それぞれの特性を理解した上で選択する必要があります。

どんな用途に使用されるのか?

インサートナットは、前述の通りプラスチックなどの比較的強度の低い素材のジョイントを強化する方法です。一般家庭においては、広くDIYに使用することができます。
ホームセンターや通販サイトで購入することができ、ハンマーやポンチ、半田ごてなどの一般的な工具を使用して簡単に取り付けることができます。ただし、挿入する素材に下穴が開いていない場合、適度な大きさの下穴を開けておく必要があります。
身の回りでは、例えば携帯電話や家電製品などに広く用いられています。さらに大きな物になると、自動車や電車などにもインサートナットが用いられていることが多いです。

プラスチックに関係する技術用語(あ行)

今回はプラスティクに関係する技術用語をご紹介していきます。
どこかで聞いたことがある用語もあるかもしれないですが、おさらいできればと思います。

ISO

International Organization for Standardization (国際標準化機構)の略称です。

工業分野(電気関係を除く)の国際標準規格を策定する組織であり、各国一組織のみ加盟することができます(日本からは「日本工業標準調査会(JISC)」が加盟)。

「ISO9001」「ISO14001」など、ISO+数桁の数字+αの名称で規格が策定され、その内容に従っていればISOから認証を受けられます。

アニール処理

プラスチックの残留応力を取り除くための処理であり、この処理を施すことによってプラスチックの寸法安定性を向上させることができます。

一般的に熱風乾燥機や電気炉などを用いて行われる処理であり、一定時間・一定温度で加熱してから徐々に温度を常温まで下げるという流れです。

寸法を重視する精密部品や、塗装や印刷などを施す製品において重要な処理となります。

エステル結合

酸とアルコールを反応させると起こる脱水反応により生成する結合のことで、構造式「-COO-」で表されます。

エステル結合を持つプラスチックのことを「ポリエステル」と呼び、水やアルカリ性の薬品で加水分解を起こして劣化するという特性があります。

エンプラ

「エンジニアリングプラスチック」のことであり、主に工業用に用いられるプラスチックのことです。

明確な定義はありませんが、汎用プラスチックと比較して耐熱性や機械的強度に優れています。

エンプラの中でも特に耐熱性が高いプラスチックは「スーパーエンプラ」と呼ばれます。

応力緩和

物体に一定の変形を与えた際に、物体の内部で発生する抵抗力が時間の経過とともに小さくなる現象のことです。

ラケットの「ガット」が応力緩和の説明に用いられることが多いが、意図的にひずみを与えて発生する反力を利用した製品に関しては応力緩和特性を考慮しないとトラブルの原因になります。

押し出し成型

プラスチックの成型方法の1つであり、溶かした原料を金型を通して押し出して固める方法です。

金型断面の形状に成型したプラスチックを継続して成形することができる成型方法であり、シート材やパイプ材、丸棒材などさまざまな種類があります。

プラスチックに関係する技術用語(か行)

回転成型

中空の金型に粉末状またはペースト状のプラスチック原料を投入し、金型を熱しながら回転させることで成形する方法です。

この成型方法では熱で溶けたプラスチック原料が遠心力により金型内部に付着し、金型に沿った中空形のプラスチック製品となります。

主に、大型のタンクなどを製造するのに適している成型方法です。

可塑性

ある個体に力を加えて変形させた際に、一定以上の力が加わった際にその変形が元に戻らないことをいいます。

「塑性」ともいい、プラスチックのような「熱可塑性樹脂」は熱に対して顕著にこの可塑性を示します。

この性質により、熱によって変形させたプラスチック製品は成型した形を保つことができますが、汎用プラスチックの多くはある程度の力や熱量を加えることで変形を起こしてしまいます。

ガラス転移点

結晶性プラスチックの温度を上げた際、分子間力にとらわれない非晶質部分の分子が動き出す温度のことをいいます。

この温度以下ではガラス状態であり、その上の温度域ではゴム状態です。

さらに温度を上げるとプラスチックが溶解する「融点」に達します。

キャスト成型

硬化剤を投入した液状モノマーをガラス板などで作った型に流し込み、重合してから取り出す成型方法です。

板状のプラスチック製品を作るための成型方法であり、主にアクリル樹脂版を製造する際に用いられます。

共重合

2種類以上のモノマーから高分子を作り出すことをいいます。

2種類のモノマーから作られた共重合体のことを「コポリマー」、3種類の場合は「ターポリマー」です。

コポリマーは、モノマーの配列によって「ランダム共重合」「交互共重合」「ブロック共重合」「グラフト共重合」に分類されます。

高密度ポリエチレン

金属酸化物などを触媒とし、常圧またはわずかな加圧によって重合したポリエチレンのことです。

耐衝撃性や耐薬品性、耐候性に優れたプラスチックであり、旧JIS K6748:1995においては「密度0.942以上のポリエチレン」と定義されています。

プラスチックに関係する技術用語(さ行)

射出成型

「インジェクション成形」ともいい、プラスチック原料を加熱して溶かした状態で金型の中に加圧して注入し、冷やして固める成型方法です。

他の成型方法と比較して、同じ製品を大量に作ることに長けており、一般的に熱可塑性樹脂を使用しますが熱硬化性樹脂を使用することもあります。

真空成型

プラスチックシートを加熱して柔らかくした後で型に被せ、真空状態にすることで型に密着させてから冷却して成型する方法です。

プラスチックの熱成型の中で特に広く普及している成型方法の1つであり、雄型を使用する方法を「ドレープフォーミング」、雌型を使用する方法を「ストレートフォーミング」といいます。

重合接着

アクリル材と同じモノマーを被着体の間に流し込んで、一定の温度で重合させることで接着させる方法です。

水族館のアクリル水槽によく用いられている接着方法であり、溶剤接着(被着体の表面を溶かして接合する方法)と比較して強度や耐久性、外観の美しさで優れています。

アクリル材を使用する場合、板材を複数枚使用して厚みや面積を増やすことが可能ですが、接着時の気泡の除去が完成品の品質に大きく関わることになります。

生分解性プラスチック

主鎖に酸素が含まれており、微生物によって分解されるプラスチックのことです。

自然界にゴミとして残らないため環境に配慮でき、償却する場合の熱量が少なくて済むといったメリットがあります。

一方で一般的なプラスチックよりもコストが高くなり、機能や耐久性の限界や、再利用できないため使い捨てることが前提になるなどのデメリットがあるのです。

生物資源から製造される場合(バイオプラスチック)もありますが、石油から製造される場合もあります。

旋盤加工

製造物を軸に固定して回転させ、刃物を動かして軸対称に切削する加工方法です。

主に製造物を球体や円すい形に加工する際に用いられ、刃物の当て具合などの条件を変えることでさまざまな加工に対応できます。