COLUMN コラム

ねじの「規格」について

一口に「ねじ」といっても、ホームセンターには数多くのネジが販売されていることから、世の中には数多くのねじが存在していることがわかります。そんなねじを特定するための指標として利用されるのが「規格」です。そこで、ねじの規格について解説します。

ねじのJIS規格

JIS規格(日本工業規格)においては、ねじは以下の規格に分類されています。

〇メートルねじ(並目ねじ)
〇細目ねじ(1998年に廃止され、並目ねじに統合される)
〇メートル台形ねじ(メートルテーパねじ)
〇ユニファイ並目ねじ
〇ユニファイ細目ねじ
〇管用並行ねじ
〇管用テーパねじ
〇ウィットねじ(廃止)

ねじの「JIS規格」と「ISO規格」

ねじの規格は、性能面や安全面を考慮し、必要なねじの種類を特定するために必要不可欠な基準です。そんなねじの規格は前述の「JIS規格」のほかにも、国際的な基準である「ISO規格」が存在しています。

JIS規格は、国際標準であるISO規格に倣いつつあります。そのため、両者の違いは少なくなりつつあるのですが、実務上ではISO規格にはないサイズのねじが存在するなどの理由から、JIS規格は残されています。日本でねじを探すのであれば、基本的にJIS規格を参照すれば問題ありません。

特殊ねじについて

規格が同じであれば、どのメーカーが作ったねじであっても基本的に全く同じサイズやねじ山の角度を持ったねじとなります。そのため、必要なねじの規格がわかっていれば、基本的にどのメーカーが作ったねじであっても使用できるのです。

ただし、規格ねじではねじを使用する目的を達成できないケースもあります。複雑な形状や特別な用途で用いる場合だと、既存の規格ねじでは対応できない可能性があるのです。その場合「特殊ねじ」をメーカーに作ってもらう必要があります。

特殊ねじは、メーカーによっては1点から製造することもあれば、必要に応じて大量生産を行うケースもあります。

ねじ規格の内容

ねじ規格では、以下の呼称と寸法範囲を用います。

■外径:M〇ねじなどで呼称、Mは「メートル」を意味し、数字が「外径(ねじ山のある軸の直径)」を意味する
■谷径:ねじ山の溝を基準とした直径
■有効径:ねじ山の幅とねじ溝との幅が等しくなる、理論上の直径
■ピッチ:隣り合うねじ山の間隔
■ねじ山の角度:ねじのギザギザ部分(ねじ山)の角度