ポリカーボネイトとは何か?
ポリカーボネイトはプラスチック樹脂の一種であり、熱可塑性プラスチックの一種です。「PC」「ポリカ」などと略されることもあり、その最大の特徴は高い耐衝撃性を持つことです。アクリル樹脂やポリエチレンと比較して約50倍の耐衝撃性を持っています。インサートナット以外にも医療機器や航空機、防弾ガラスにも使用実績があるなど幅広い用途に使用されています。
ポリカーボネイトの特徴
ポリカーボネイトは、耐衝撃性の高さの他にも「耐熱性」「透明性」などの利点があります。
- 1. 耐衝撃性
- ポリカーボネイトは、アクリル樹脂の約50倍に相当する耐衝撃性を持ちます。ハンマーで叩いても割れることがなく、その耐衝撃性はプラスチック素材の中でも高い水準を持ちます。
- 2. 耐熱性
- ポリカーボネイトは高い耐熱性を持ちます。電子レンジや冷蔵庫といった温度変化の激しい機器にも使用実績があり、幅広い温度帯に耐える性能を持っています。
- 3.透明性
- ポリカーボネイトの透明度は、光の透過率が85~90%あるとされています。その透明度はガラスに匹敵するほどであり、アクリル樹脂には一歩及ばないものの光学機器などにも使用実績があるほどです。
- 4.耐候性
- ポリカーボネイトは高い耐候性を持ちます。難燃性に優れており、電子分野や建築素材などにも使用されるほどです。
- 5.寸法安定性
- ポリカーボネイトは、プラスチック加工において無視できない成形収縮率が低いという特性があります。高い加工性能を持ち、精密な加工を含めてさまざまな成形方法に対応するプラスチック素材です。
ポリカーボネイトの欠点
ポリカーボネイトには、「耐薬品性の低さ」と「高温高湿に弱い」などのデメリットがあります。
- 1.耐薬品性
- ポリカーボネイトは、耐薬品性が低いことが欠点です。中でもアルカリ剤や溶剤には弱く、これらを使用すると劣化してしまいます。また、接着剤などを使用することができません。
- 2.高温高湿の環境下への弱さ
- ポリカーボネイトは高い耐熱性を持ちますが、エステル結合を持つので高温高湿の環境下では加水分解を起こしてしまいます。使用する環境には十分に注意しなければなりません。
- 3.透明度の低下
- ポリカーボネイトは高い透明度を持ちますが、引張強度を超える力をかけてしまうと透明度が低下して白化してしまいます。
まとめ
ポリカーボネイトは高い耐衝撃性などの特長を持つ一方で、耐薬品性が低いと言った欠点があります。使用する際には、その対象の特性や使用環境を十分に考慮する必要があります。詳しくはインサートナットを製造しているメーカーに問い合わせをして、適切な用途に用いてください。