「プラスチック」と「金属」の機能や性質の違い

  • 比重
  • 電気伝導率
  • 耐熱性
  • 耐衝撃性
  • 耐薬品性
  • 形状の自由度の高さ
  • 着色のしやすさ
  • 寸法安定性
  • コスト


比重



一般的なプラスチックを「1」とする場合、アルミニウムは2~3倍、鉄や銅については8~9倍の重さがあります。
金属と比較して軽量なプラスチック素材の性質は、自動車を軽量化して燃費性能を向上させるなどの点において役立っています。




電気伝導性


鉄は電気を通しますが、プラスチックは基本的に電気を通さないため、絶縁部品の製造に適しています。
一方でプラスチックは帯電しやすいため、ほこりが付きやすいという特徴もあります。
なお、プラスチックの中には電気を通す「導電性プラスチック」と呼ばれるものもあります。




耐熱性


汎用樹脂は、金属と比較して耐熱性が低いです。
そのため、自動車のエンジン周囲などの高温環境下で使用する部品としての利用には適していません。




耐衝撃性


一般的にプラスチックよりも金属の方が耐衝撃性は高いです。
しかしプラスチックでも「ガラス繊維」などを加えることで強度を高めた素材もあります。
耐衝撃性の高いプラスチックは、自動車のバンパーの素材としても使用実績があります。




耐薬品性


金属は一部の種類を除き、酸化や錆に弱い性質を持っています。
一方でプラスチックは有機溶剤に弱いという特徴はありますが、高い耐薬品性を持つ種類があります。
金属部品の場合は防錆加工が必要な部品であっても、プラスチックは錆びないので防錆加工は不要です。




形状の自由度の高さ


汎用樹脂は融点が低いため、金属と比較して成形しやすいという特徴があります。
また、量産に適した特性を持っており、製品制作のためのコストを抑えることができます。
ただし、成型方法によって適した形状や生産性は異なりますので、製造する部品に合った成型方法を選択することが重要です。




着色のしやすさ


樹脂も金属もメッキや塗装が可能ですが、プラスチックの場合は素材に染料などを混ぜることで着色した状態で成形することができます。
同じ色の部品を大量生産するのに適しています。




寸法安定性


金属と比較するとプラスチックは温度変化に弱いため、高温になるほどに剛性などの特性が変化してしまいます。




コスト


汎用樹脂は金属と比較して安価で入手できることが多いです。
一方で「エンプラ」などの高性能なプラスチックになると、金属よりも高価になることが多くなります。