まだまだあるプラスチック技術用語

  • クリープ
  • ウェルドライン
  • 合成樹脂添加剤
  • まとめ


クリープ



1835年、フランスで「ポリ塩化ビニル」の粉末が発明されました。4年後の1839年、今度はドイツで「ポリスチレン」が発明されました。今でも有名なプラスチックですが、当時のこれらのプラスチックは耐久性などの問題を抱えており、プラスチックとして開発はされたものの工業製品としての実用性には欠けていました。



ウェルドライン



「ウェルドライン」とは、樹脂形成において金型の中で溶解樹脂の流れが合流し、融着した部分に発生する細いラインのことをいいます。例えば成形品に中空部を形成するためにコアやピンを設けた場合、その部分で樹脂の分流が発生し、回り込んで合流した箇所にウェルドラインが発生します。細い線として視認できる場合もあれば、外からは見えない場合もありますが、後者の場合でもウェルドラインと呼びます。


注入する樹脂の種類や金型の設計方法よっては、ウェルドラインが発生しても問題ないケースもあります。しかし、外観が悪くなるリスクや、最悪の場合には構造上の欠陥を引き起こしてしまう場合もありますので、ウェルドラインは無視できない要素となります。


ウェルドラインが形成されやすいかどうかは、使用する樹脂の種類によって大きく異なります。例えば「ABS」はウェルドラインが発生しやすい樹脂です。また、外観の問題のみ解消できれば良いのであれば、金型の温度を上げて樹脂の固化を遅らせる方法や、射出速度を早くして表面の固化層を薄くする方法などがあります。



合成樹脂添加剤


「合成樹脂添加剤」とは、合成樹脂の劣化抑制や耐燃性の付加などを目的として使用される添加剤のことをいいます。さらに分類すると、樹脂の劣化を抑制する目的で使用されるものを「安定剤」、耐燃性などの付加価値を追加するものを「改質剤」と呼びます。


プラスチック製品を実用面で見たとき、一般的なプラスチックの特徴である「熱や光に弱い」という特徴が邪魔になります。こうした弱点を補うにあたり、プラスチックそのものを改良するよりも、少量の安定剤を使用するほうが経済的かつ効率が良い方法です。機能を付与する改質剤も同様で、ほんの少量の改質剤を添加することによりプラスチックの性能を向上させることができます。



まとめ


こうしたプラスチックの情報や特性を知ることは、プラスチック製品と関わる上で重要なポイントの一つです。自分がプラスチック製品を必要とするとき、どういった用途・特性が必要なのかを把握して、最適なプラスチックを用意できるようにしましょう。