1835年、フランスで「ポリ塩化ビニル」の粉末が発明されました。4年後の1839年、今度はドイツで「ポリスチレン」が発明されました。今でも有名なプラスチックですが、当時のこれらのプラスチックは耐久性などの問題を抱えており、プラスチックとして開発はされたものの工業製品としての実用性には欠けていました。
工業化できる実用性を持ったプラスチックの開発は、それから数十年後の話になります。1870年、アメリカで「セルロイド」が開発されました。当時、象牙の代替としてビリヤードの玉の材料として使われた話は有名です。しかし、セルロイドには発火しやすいという欠点がありました。
その数年後、1872年に「フェノール樹脂」がドイツで開発されますが、当時は工業化されていませんでした。これが実用化されたのは数十年後の1909年のアメリカでの話で、フェノール樹脂を工業化した「ベークライト」が開発され、広まりました。これは人類史上は初めて人工的に合成されたプラスチックであると言えます。
その後、プラスチックは数多く新しいものが開発されるようになります。主なプラスチックの種類と開発された年は以下のとおりです。
第二次世界大戦において、鉄や銅、アルミといった金属が軍事利用において貴重になったため、その代替としてプラスチックの需要が高まりました。第二次大戦の終結後、プラスチックは安価で使い捨てが可能であるという点が評価され、急速に市場に普及していきました。第二次世界大戦は、プラスチックにとって大きな転換期となったのです。
いかがでしょうか。プラスチックの歴史は100年に満たないもので、急速に発展したものであることがわかると思います。今後もプラスチックの歴史に新たな1ページを作ることになる、新しいプラスチックの開発に期待したいところです。