主なプラスチックの種類とその特徴

  • 熱可塑性樹脂
  • 熱硬化性樹脂
  • まとめ


熱可塑性樹脂



1. ポリテトラフルオロエチレン樹脂

「テフロン」の商品名で有名な、フッ素系樹脂の代表格のプラスチックです。高い耐熱性と耐薬品性を有しており、低摩擦特性と誘電率の低さや非粘着性などさまざまな特性を持つ素材でもあります。ただし熱流動性が悪く、成形性が悪いという欠点があります。

2. 液晶ポリマー樹脂

別名「液晶ポリエステル」とも呼ばれるプラスチックです。耐熱性に優れており、高い剛性と弾性、寸法安定性を持つ素材です。ただし摩耗性と衝撃に弱い素材でもあり、加工に際しては接着と曲げ加工に適していません。

3.ポリフェニレンサルファイド

略号そのままに「PPS」と呼ばれることの多いプラスチックです。高い耐熱性と高温特性を持ち機械的強度や難燃性にも優れています。電気絶縁性にも優れた素材なのですが、このプラスチックも衝撃と摩耗性が弱いという欠点があります。

4.ポリエチレンテレフタレート樹脂

通称「PET」と呼ばれる素材であり、身近なところではペットボトルの素材として大変有名なプラスチックです。耐熱性と耐寒性に優れ(ペットボトルとしての耐熱性はそこまで高くない)、透明性の高い素材です。エンジニアリングプラスチックとして用いる場合には単体では脆いため、ガラス繊維などで補強する必要があります。

5.ポリアセタール樹脂

「ポリカボネート」や「ポリアミド」などと並んで「5大エンプラ」と呼ばれる素材の一種です。高い耐摩耗性を有し、軸受などに使用されています。機械的強度と温度性に優れ、金属の代替品として使用されることが多いです。溶接は可能ですが、適当な接着剤がありません。




熱硬化性樹脂




1.ユリア樹脂

尿素を用いているため「尿素樹脂」とも呼ばれているプラスチックです。「フェノール樹脂」と並んで歴史の古い素材であり、熱硬化性樹脂の中では最も安価な素材です。着色が自由であり、成形材料として鮮明な色に着色できるという利便性があります。表面硬度の高い素材ですが、耐衝撃性には難があります。

2.ジアリルフタレート樹脂

優れた電気特性と寸法安定性を持った素材であり、電気・機械部品として幅広く使用されています。また、耐水性や耐汚染性、耐候性の高さから化粧板としても使用されている素材です。

3.ポリウレタン

「ウレタン樹脂」「ウレタンゴム」などの別名があるプラスチックです。ポリウレタンには種類があり、熱硬化性にも熱可塑性にも分類できると言う特徴があります。硬度の種類が豊富で、弾性や耐摩耗性、耐衝撃性などさまざまな特性に優れています。



まとめ


プラスチックには種類が豊富に存在し、それぞれに異なる特性があります。素材・部品として利用する上では各プラスチックの特性を理解して、用途に適した素材を選択することが必要になります。